ミルコUFC初戦
2月3日にラスベガスで行われたUFC67に、ミルコ・クロコップが参戦。
「ミルコがPRIDEから引き抜かれちまったよ!」とショックなファンも多いけれど、ミルコはモチベーションがないと格下相手にあっさり負けたりする選手なので、UFC移籍は本人のためにもよかったんじゃないかなと。
それにミルコはもともと銭ゲバな選手でもある*1。
アメリカはここのところ総合格闘技のブームが来ていて、老舗UFC以外にも団体が乱立、ギャラの高騰が激しいと聞く。
ミルコに対してもUFCから満足のいくファイトマネーが提示されたんだろうし、地上波放送が切られて台所事情がよろしくないPRIDEにとってギャラの高いミルコの放出はメリットもあるんじゃないかな。
実際、DSEの社長はミルコのUFC参戦を応援すると公言していて、円満移籍という感じ。
それにもしもミルコがUFC王者になればPRIDE>UFCという図式を格闘ファンに知らしめる形になるわけだ。
おそらく将来的にはUFC王者となったミルコが復帰してノゲイラやヒョードルへのリベンジに挑むという構想があるのだろう。
そんなこんなでミルコのUFC初戦。
相手のエディ・サンチェズはヘビー級戦線で連勝中の注目株。
とはいえ、ミルコのキャリアを考えたら完全に格下。
予想通り、ミルコが打撃で圧倒しTKOだそうだ。
日本の格闘団体の格が米国のそれより上であることを証明してもらうためにも、ミルコにはこのままUFC王者の道を突き進んでほしい!
プロレス的外国人名
プロレスでは外国人の名前をアレンジしてカタカナ表記する伝統がある。
かの有名な鉄人ルー・テーズ。
彼の場合、本当の発音はルー・テス。
これはたしかにちょっと弱そうだ。
新聞の訃報などでもちゃんと「ルー・テーズ」と書かれるほど定着した表記でもある。
ちなみにテーズと並び称されるカール・ゴッチの場合、そういったカタカナアレンジはないが、初来日時の名前はカール・クラウザーだった。
これは格好良すぎw
最近の例では、WWEのディーヴァとして活躍し、新日本プロレスでも女性ながらに蝶野と渡り合ったジョーニー・ローラー。
元々は「チャイナ」という名前でWWEで活動していたのが、キャラ路線変更で本名のジョアニー・ラウアーになった。
…ハズが、新日プロではジョーニー・ローラーという名前になってしまった。
これは明らかに名前で迫力を出すためのアレンジだろう。
実際、ローラーは悪い意味で新日マットを蹂躙して去っていったわけだが……
和製外国人名
とある打ち合わせでPRIDEの話題になった。
ヘビー級王者のエメリヤーエンコ・ヒョードル。
この名前の表記は謎なのである。
まず、なぜか名前が姓・名の順番になっている。
これは案外気づいていない人も多いが、彼の弟がエメリヤーエンコ・アレキサンダーなのだからエメリヤーエンコが姓なのである。
他にも姓・名の順番で表記されるロシア選手はけっこういる(例えばイリューヒン・ミーシャ)。
これはロシアの公的文書では姓・名・父称の順で表記されるのが原因とされる。
だが、PRIDEで活躍する同じロシア人のイゴール・ボブチャンチンはちゃんと名・姓の順になっているのだ。
さらに言うと、Fedor Emelianenkoであるところのヒョードルはフョードル・エメリヤネンコと書く方が正しいようだ。
なにしろ同じ名を持つあの大文豪は通常フョードル・ドストエフスキーと表記されるのだから。
おなじことはボブチャンチンにも言える。
正確にはイーゴリと表記するべきなのだ(同じ名前の大作曲家は通常イーゴリ・ストラヴィンスキーと表記される)。
ただ、このへんの事情はイリューヒン・ミーシャの例を考えると謎を解明する糸口が見えてくる。
彼の場合、名前はミハイル・イリューヒンが正しい。
そう、「ミーシャ」とは「ミハイル」という名前に対する愛称なのだ。
ここまでくると、本名と違うとか、発音が違うとか、公的文書の表記順といった問題ではない。
確信犯的な名前表記と考えられる。
つまり、おかしなロシア人選手の名前表記は「日本向けリングネーム」と解釈すべきなのだ。
考えてみればエメリヤーエンコ・アレキサンダーは、ロシア読みなら当然アレキサンドルにならなくてはいけないはず。
おそらくは「語感がカッコイイ、強そう」「語呂がいい」といった理由で姓・名の逆転や言語に則さない表記が選択されているのだろう。
PRIDE無差別級GP
ミルコおめでとう!
本当はジョシュを応援していたけど、戴冠までの紆余曲折を見てきた格闘ファンとしては素直にミルコを祝福したい。