○LYOTO vs ×サム・グレコ

2−1に割れた判定でLYOTOが辛勝。
放送された部分を見る限りではLYOTOがポジション取りで試合を回転させていたので妥当なジャッジだと感じた。
今回のLYOTOは一本獲ろうという意識が強すぎた。
私見では関節技を決めるやり方には2種類あると思う。
ノゲイラ桜庭和志のように一手先二手先に罠をはって相手を誘い込んで極めるのと、小川直也菊田早苗や今回のBJペンのように相手を充分に痛めつけて(抑え込んで)そのまま最短距離で極めるやり方だ。
LYOTOはそのどちらでもない中途半端な仕掛けをやってしまった。
前者のやり方で攻めていればマウント・ポジション→腕ひしぎの後に三角締めで極めるチャンスは二、三回あった。
また後者のやり方で言えば、菊田のようにマウント状態を維持し、もっとパウンドで攻め続ければグレコのスタミナも切れ、腕ひしぎだろうが肩固めだろうが容易に極められただろう。
腕ひしぎの仕掛けに失敗した後にグレコに立たれたり上のポジションを取られたりしていたのも気になった。
小川は先のステファン・レコ戦で一度腕ひしぎを外され立たれかけたが、即座に組み伏せて再びマウントを奪取した。
私はむしろここで組み伏せた小川の技に感心して「この試合、勝負あったな」と感じたのだが、LYOTOにそのような動きは見られなかった。
彼がどちらの策を選択するにせよ、もっとズル賢さ、エゲつなさを身に付けなければ勝負を決めることはできないだろう。
師匠の猪木さんからそういった“キラー”な面を学び取ってもらいたい。