青山ブックセンター、再び破綻

今を去ること四年前、「第三回文学フリマ」はすでに開催日程を発表し、出店者の募集を開始していたにもかかわらず、会場であった青山ブックセンターの倒産により日程と会場の変更を余儀なくされました。
その時に現在も使用している秋葉原東京都中小企業振興公社に移ることができ、事なきを得たのでした。


その後、再建の道を歩んだ青山ブックセンターですが、再び経営破綻に陥ったようです。
運営元である「洋販」が自己破産したのです。
ブックオフが支援に名乗りを上げているというのも象徴的です。


「洋販」自己破産 ブックオフが青山ブックセンター支援 ←asahi.com


第三回の時には騒動に巻き込まれたとはいえ、青山ブックセンターは「文学フリマ生誕の地」です。
“あのブランド書店が同人誌のイベントに力を貸した」という事実が、どれほど文学フリマというイベントのイメージ向上に貢献したことでしょう。


四年前のあの夜。
ABCのショーウィンドウ越しに見た空っぽの本棚。
あの不条理な光景が鮮明に脳裏に蘇ってきます。
一生忘れることはないであろう、あの、がらんどうの本棚。
当時は混乱と焦りと怒りをもって見つめたあの光景ですが、今夜は故郷喪失者の悲しみをもって思い起こされます。


胸が締め付けられます。


文學界」の同人雑誌評の終了といい、ABCの再倒産といい、今年は文学フリマの周辺がなにやらきな臭いですね(苦笑)。
私が言うのもなんですが、文学フリマは同人・インディーズ文学界の“残されたフロンティア”になりつつあるのかもしれません。
清濁併せ呑むの気概を持って、時代に挑んでゆきたいです。