東京都中小企業振興公社、予約一時中止の件
文学フリマが第三回以来、会場として使用している秋葉原の東京都中小企業振興公社。
実は10月中旬からしばらくの間、展示室の予約が一時中止されていました。
一時中止の理由は「規定の見直しを行うため」と書かれています。
中止の直前には都の施設で過激な表現を扱う同人誌即売会に対する通達などが行われており、公社の対応もその流れに沿ったものと考えられます。
参考記事 「同人誌即売会規制強化へ 東京都」ITmedia News
私自身も第六回文学フリマの当日、展示室の解錠をしてくれる警備員さんに「18禁のモノとかは扱ってないですよね?」と聞かれたので、会場側がそういったことにナーバスになっているらしいことを直に感じました(この会場をもう何度も使っている文学フリマにそういう確認をしてくるわけですから)。
文学フリマ自体はアダルト系の表現を取り扱っているわけではないので、直接規制の対象になることはないと思います(小説で性描写を扱っている方はいるでしょうが、原則として施設が規制するのは活字表現ではないでしょう)。
しかし、こうして会場予約の一時中止といった事例がでてくると、対岸の火事とも言っていられません。
イベントの内容にかかわらず、「同人誌即売会」が十把一絡げに会場から締め出されるといった最悪のケースだって起こりうるのです。
実際問題、同人誌即売会は非常に立場の弱い存在です。
今だから書きますが文学フリマ事務局にしても、会場の予約を断られたことがあります。
会場に予約を打診したところ「主催組織が法人でなければ認められない」と言われて利用を断られたのです。
その会場では明らかに個人主催と思われる同人誌イベントが多数開催されており、正直言って釈然としない説明でした(貸し出し基準の詳しい説明を求めても「内規なので教える必要はない」の一点張りでした)。
その会場が同人誌即売会をよく思ってはおらず、新規のイベントの参入を認めない方針をとっていたのかもしれません。
東京都中小企業振興公社の予約は11月20日から再開されることになっています。
この会場に限らず、使用料金の安い公営施設は同人誌即売会にとって命綱です。
同人誌文化の末席に名を連ねる文学フリマ事務局の代表として、今後も良いイベントを開催し、参加者はもちろんのこと、会場側とも良い関係を築いていけるように努力していきたいと考えています。