友よ

jugoya2007-08-01

高校の同級生から久しぶりに電話があった。
一年半ほど前に会って以来だ。
そう、忘れもしない。
前に会ったときは第四回文学フリマのまさに前日だった。
彼は「悪いときに来ちゃったかな……」と気にしていたっけ。


下北沢で待ち合わせた。
7時でもまだ夕焼けが明るかった。
そのまま彼とサシで飲みに行った。
何かと思えば、仕事の都合で沼津へ引っ越すのだという。


私は高校の同級生のほとんどと疎遠になってしまっているのだが、彼は唯一といっていいほど長いつきあいになっている。
二人でいろいろなことを話した。
できちゃった結婚したヤツ、司法試験に受かって検事になったヤツ、仕事を辞めてその後の消息が不明なヤツ。
クラスメイトたちの近況と同時にあのころのバカみたいな思い出を語り合った。


店を出て、今度は私のうちで飲み直すことにした。
BGVにKOWA君から借りっぱなしの「時をかける少女」を流し、あまり会話を交わさないまま二時間ほど過ごした。
しばらくすると兄貴が帰ってきた。
彼は昔からウチによくきていたので兄貴とも顔見知りだ。
兄貴にも引っ越しの挨拶をすませると、そろそろ帰ろうか、ということになった。
途中まで送っていった。
なんと彼の恋人とは東北沢に住んでいるのだという。
「ちょっと顔みてから帰るかな」という彼に「じゃあな!」と手を振って別れた。


二人で飲んでいたとき、「結婚するかもしれないな」と彼は言っていた。
十年来のつきあいのこの私に「かもしれない」と言うくらいだから、きっと、そうするんだろう。



十年ひと昔、と言うけれど、私の高校時代もずいぶん遠い記憶になった。
本当に、そう思う。