スタジオジブリの新作は『ゲド戦記』

もう諸方面で話題に上がってますが、スタジオジブリの新作は宮崎駿氏の息子・宮崎吾朗氏の監督による『ゲド戦記』だそうです。
http://www.ghibli.jp/


このニュースで思うこと。
まずひとつは、高畑勲さんはもう監督やらないのかなということ。
ホーホケキョ となりの山田くん』が興行的に大失敗だったという話は良く聞くけど……。


それから宮崎駿さんは息子が監督をやることに反対したそうだけれど、じゃあ誰がこの企画にGOを出したのかなということ。
やっぱり鈴木敏夫プロデューサー?
スタジオジブリでは過去に、気鋭の若手にやらせるはずがなぜか降板して宮崎駿さんが監督したケースが少なくとも二回ある。
魔女の宅急便』と『ハウルの動く城』だ。
ハウル』は最初、細田守監督のはずだったというのは有名な話だけれど、実は『魔女の宅急便』も監督交代劇があった。
確か「ユリイカ増刊 宮崎駿特集」号の中でスタッフが語っていたので、ウワサとかそういう類の話じゃありません。
で、その結果として、インタビューでよく「引退」とか「リタイヤ」という言葉を口にしている宮崎さんがずっと一線で頑張っているのがジブリなわけで、先のことを考えるとあまりいい状況とは言えない(庵野秀明カントクは「ジブリじゃ下は育たない」って断言してたっけ)。
そういったことを考えると、あえて息子を起用したというのは、宮崎駿引退に向けての布石とも見えるわけです。
さすがの宮崎さんも、自分の息子が降板した後の監督なんて絶対引き受けないでしょう。
しかし正直なところ、この選択には一抹の不安があるよね。
だってプロフィールを見る限り、吾郎さんって映像作家としては素人、とまでは言わないにしてもキャリアはほとんど無いわけで。
アニメ「ブラックジャック」の監督をやっている手塚眞さんは学生時代から実写映画をやって、それなりに評価も受けていた人だから、おなじ二世と言っても相応の手順を踏んでるわけですよ。
しかも、題材があの『ゲド戦記』!
どう考えても一筋縄ではいかないよなあ。
意地悪な見方をすると、『指輪物語』『ナルニア国物語』の映画化の流れに便乗したようにも思えるけど。
まあ実際、作品が完成するのはかなり先の話だろうし、気長に期待しましょう。


それにしても。
あの高畑さんのキャリアの最後を飾る作品が『ホーホケキョ となりの山田くん』というのはちょっと寂しい気がするのだけれど。