『英雄伝説Ⅵ 空の軌跡』

最近いろいろあってなかなか時間が取れずにいたが、
ようやく日本ファルコムの新作『英雄伝説Ⅵ 空の軌跡』をクリア。
これは傑作。
ファルコムのRPGのシナリオはなんだかんだで悪人が出てこない性善説的なものが多く、そこで好き嫌いが分かれる。
ガガーブ・トリロジー三部作は「PCゲームなのに対象年齢低すぎ」とか良く言われたものだ。
空の軌跡』はそういう朗らかなファルコムらしさを残しつつも、明らかにそこから一歩踏み出している。
第二章で学園祭に参加するくだりなどは楽しさだけでなくそこはかとなくせつなさが描かれているし、なんと言ってもエンディングがこれまでのファルコムの枠からはみ出している。
またこれはかの『イース』以来(?)となる続編前提の作品なので、物語の謎がかなり残されているわけだが、期待が募るばかりでフラストレーションはほとんど感じない。


またシナリオだけでなく、細部のギミックが老舗らしい出来映えだ。
本筋とは別に依頼されたクエストをこなしていく楽しみ。
またそれでいて本筋で次に何をするかを見失わないようになっている“ブレイサー手帖”のシステム。
“レシピ手帖”のやり込み要素も良いし、主人公たちの関わった事件が客観的に報告される“リベール通信”の存在も心憎い。
とにかくPCゲーム業界において数少ない“18禁ゲームメーカーではない大手”*1である日本ファルコム
老舗の健在ぶりを知らしめるに十分な作品を世に送り出したのではないだろうか。

*1:私見だが、国内メーカーに限れば光栄とファルコムの二社だけなのではないだろうか