感想・五月十五日

韓国へ行った目的は学友(韓国人の留学生)の結婚式に出席する為で、同級生6人連れ立っての旅だった。
結婚式は十六日だったので、十五日の土曜日はソウルを観光することができた。
これがまた一日で南大門、明洞、東大門を回るスケジュールでけっこうキツかったのだが、ソウルの空気を充分に味わうことができた。
なんというか、こういった繁華街では路上にスペースがあれば露店が入り込んでしまう。
またソウル市内は幅の広い道路が多く、横断歩道がなくて地下道で反対側に渡ることが多いのだが、この地下道にもぎっしりお店が詰まっていた。


南大門のような市場を歩いていると客引きがすさまじく、皆日本語で話しかけてくる。
留学生の友人も言っていたのだが、こちらが日本人であることはすぐにわかってしまうらしい。
顔つきだけでなく服装が見分ける大きなポイントだそうで、日本生活の長いその友人は帰国したときに日本人に間違えられることがあるという。
それはともかく「オマケにキムチ1キロつけるよー!」と声をかけられると逆に買い物しづらくなるような……
あるショッピングモールは六階まで直通のアジア最長のエスカレーターというのをウリにしていた。
当然乗ってみたわけだが、これはもう笑うしかない代物で、同行者の友人は「もうこの発想が馬鹿馬鹿しいよな!」と大喜びしていた。
いかにも普通な食堂に入って昼食を食べたのだが、出てくる料理すべてが辛い。
味は大変おいしいのだが、空きっ腹には辛さが応えた。


明洞は日本の歌舞伎町と原宿を合体させたようなソウルの流行発信地といったところ。
でも露店でトッポギとかスルメとか売っている。
私は明洞駅からメインストリートを見物しながらそのまま通り抜けて、ウルジロ1街駅の書店(BOOKS LiBRO)に足を運んでみた。
店内の風情が日本のリブロそのものだったが、系列なのかどうかはわからない。
コミックコーナーを見てみると平積みになっているのはほとんど日本のマンガのハングル語版ばかりだった。
もっともそれだけで韓国のコミック事情は判断できないし、むしろ日本のマンガばかり置いてあるのはこの書店ならではなのかも知れない。
あずまんが大王』の単行本だけでなくハングル版「ひめくりあずまんが」まであったので購入しようかどうか迷ったが、そもそも書店には「ラグナロク・オンライン」関係の本を探しにきていたので、「オフィシャル・ガイド・ブック」(もちろんハングル)のvol.4とvol.5購入を優先した。
日本では未実装の情報が載っている?


東大門はショッピングモール中心の市場。
大型ショッピングモールはなぜか入り口前の広場に必ずステージを設けていて、日本で言うところのジャニーズ系のグループがキャーキャー騒がれていたりダンサーグループが踊っていたりしていた。
前進するのも困難な人出で、なにか熱狂的なものを感じた。
韓国人は日々を楽しく生きている!
ショッピングモールと言っても日本のそれとはかなり趣を異にしている。
中の各ショップはカウンター形式で商品を並べていて、それがスペースの許す限り連なっている。
前を通ると店員がひっきりなしに「アンニョンハセヨー」と声をかけてくる。
そう、つまりこれは道に並んでいる露店を綺麗なビルの中におさめただけなのだ。
つくづく露店が商いの基本なのである。
私は一万ウォン(約千円)でジャケットを買った。
ちょっと肌寒かったのでちょうどよかったのだ。
コストパフォーマンスは高い。


そのまま東大門でカルビを食べることにした。
まずトッピング(?)の皿が沢山出てきたのが印象的だった。
チヂミもサイズが大きくて食いでがあった。
ビールやらマッコリやらも頼んで一人あたり二万ウォン(約二千円)は安い。
ただ、夜は食べ過ぎと辛過ぎで胃が痛かったのだった。