『時をかける少女』

 朝イチでテアトル新宿細田守監督の『時をかける少女』を観に行きました。午前中だから空いてるだろうと思いきや、いやはや客席は8〜9割埋まってました。いくら事実上の都内単館上映だからといっても、これほどの客入りとは。公開から三週間も経ってるのだから、これこそ口コミの力では?
 そんなわけでアニメ版『時かけ』ですが……
 これは掛け値なしに素晴らしい!
 どれくらい素晴らしかったかと言うと、スタッフロールが流れても誰一人として席を立とうとしない。そしてスタッフロールが終わって客電が点いた時、場内が感嘆のため息に包まれたんですよ! 「はぁ〜♪」って!
 とにかく夏の空気、青春の輝き、恋の手触り、そういったものがフィルムから溢れだしてくる。笑って泣ける。感動できる。
 クライマックスの余韻を引き立てるようなじっくりとした長めのエピローグも私好みでした。そして真琴が全力疾走でカメラを追い越していくシーン、これが最高!
 私の迷友で細田守親衛隊隊員(自称)のタライふゆ君がwebアニメスタイルで「個々のキャラクターの一挙手一投足」が魅力、と書いていましたが、たしかにその通り。その一挙手一投足を見ているだけで楽しいんですよ。
 このライトノベル全盛の時代に筒井康隆の正統派ジュヴナイル小説がこんな形で再創造されるとは。この夏に、劇場で、この作品を観ることができてよかった。